視線

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読書面に連載。画集、写真集などのビジュアル本をとりあげ、写真家の視点や被写体の造形的な美について解説します。

バックナンバー:2011年

ビアズリー怪奇幻想名品集 [著]冨田章

ビアズリー怪奇幻想名品集 [著]冨田章

 オーブリー・ヴィンセント・ビアズリーは、1890年、ロンドンで保険会社の職員だった18歳のときに本格的に絵を描き始め、約7年後、肺結核のために没した。享年25歳。  20代の若者にとって遠い存在であるはずの死は、ビアズ………[もっと読む]

[文]原田マハ(作家) [掲載]2014年04月20日

下岡蓮杖 日本写真の開拓者 [編]三井圭司・鳥海早喜

下岡蓮杖 日本写真の開拓者 [編]三井圭司・鳥海早喜

 幕末から大正初期にかけて活動した日本写真史の先駆者の軌跡を、改めてたどり直す試みである。  青年時代に絵師をこころざし狩野派に入門するが、当時最新のテクノロジーであった写真を目にして、蓮杖は強い衝撃を受ける。天衣無縫の………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2014年04月13日

星晃さんのアルバムから 国鉄車輌誕生秘話 [著]星晃・岡田誠一

星晃さんのアルバムから 国鉄車輌誕生秘話 [著]星晃・岡田誠一

 乗り鉄、撮り鉄、音鉄。鉄道の愛し方にもいろいろある。本書は基本的には「車両鉄」向けとなるだろう。実際、解説は専門用語だらけだ。なのに、何鉄でもない私でも本書を楽しめた。  それはひとつに、写真がよいからだ。撮影者は、国………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2014年04月06日

MARS 火星 未知なる地表 惑星探査機MROが明かす、生命の起源 [編] グザヴィエ・バラル

MARS 火星 未知なる地表 惑星探査機MROが明かす、生命の起源 [編] グザヴィエ・バラル

 人の目は、無意味を恐れる。だから抽象画は、「分からない」と避けられる。何も見えない暗闇は最たるもの。夜空の星の配列に、何とかクマやらカニやらを見いだし、月にウサギを見てしまう。  この大型本に載る写真たちもまた、「意味………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2014年03月23日

intimacy [著]森栄喜

intimacy [著]森栄喜

 私にはゲイの友人が何人かいる。そのうちのひとりはあけすけで、貪欲(どんよく)で、生き急いでいるかのような男。別のひとりは、控えめで、内向的で、できるだけ自分の存在を「ない」ことにしているかのような人。まったくタイプの違………[もっと読む]

[文]原田マハ(作家) [掲載]2014年03月16日

不二之山 [著]井賀孝

不二之山 [著]井賀孝

 井賀孝は、山伏の修行をしながら写真を撮り続けている。その特異なスタンスが、世界遺産としての富士山を、ありきたりのイメージから解放した。  微妙に歪(ゆが)んだ姿を薄ぼんやりと浮かび上がらせる富士山を見やりながらおもむろ………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2014年03月09日

表具を楽しむ [著]池修

表具を楽しむ [著]池修

 勤務医・僧侶である著者が、自らが所有する掛軸(かけじく)の表具を依頼してきた経験を元に本書は書かれている。  表具とは、絵や歌などが描かれた「本紙」を掛軸や巻物などに仕立てること、あるいは仕立てられたものを言う。用いら………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2014年03月02日

BANKSY YOU ARE AN ACCEPTABLE LEVEL OF THREAT [著] パトリック・ポッター [訳] 毛利嘉孝・鈴木沓子

BANKSY YOU ARE AN ACCEPTABLE LEVEL OF THREAT [著] パトリック・ポッター [訳] 毛利嘉孝・鈴木沓子

 都会の「壁」をキャンバスに、絵や文字を描く。落書きアートはグラフィティやストリートアートとも呼ばれる。英国の匿名画家バンクシーはその代表的な存在だ。彼が各地の壁に残した絵の写真に解説を加えた本書を見ると、しかし、都会の………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2014年02月16日

写真集 昭和の肖像〈町〉 [著]小沢昭一

写真集 昭和の肖像〈町〉 [著]小沢昭一

 この本、まず表紙を見てほしい。詰めかける群衆、そのひとつひとつの顔が輝いている。どんないいことがあるのだろうか。答えは、豆まき。浅草寺の節分会でまさに豆がまかれる直前のショット。いったい、どういう了見でこんな写真を撮っ………[もっと読む]

[文]原田マハ(作家) [掲載]2014年02月09日

PIPELINE ICELAND/ALASKA―パイプライン アイスランド/アラスカ [著] 石塚元太良

PIPELINE ICELAND/ALASKA―パイプライン アイスランド/アラスカ [著] 石塚元太良

 パイプラインのシリーズで知られる石塚元太良の最新写真集である。地熱利用や石油輸送のためのパイプが原野を、たんたんと走り抜けてゆく光景はクールで、しかも、ドラマチックだ。  ページをめくると、風景が次々と変わる。パイプも………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2014年02月02日

ヘンリー・ダーガー 非現実を生きる [編著]小出由紀子

ヘンリー・ダーガー 非現実を生きる [編著]小出由紀子

 色美しい水彩の画集。描かれているのは、「ヴィヴィアン・ガールズ」と命名された7人姉妹が活躍する、架空の物語だ。子供奴隷制を敷く邪悪な大人の男たちの国と、その廃止を求めるキリスト教の国との戦い。南北戦争がモデルになってい………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2014年01月19日

海底美術館 [著] ジェイソン・D・テイラー、ジェームズ・バクストン

海底美術館 [著] ジェイソン・D・テイラー、ジェームズ・バクストン

 ひところ「彫刻公害」なる言葉をよく耳にした。美しい街並みを造るために設置されたはずの屋外彫刻が、何の役にも立たずに放置され、汚れている。そんな状況を言い表しているのだろう。  この写真集に登場する人物彫刻たちも、放置さ………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2014年01月12日

作家の住まい [編]コロナ・ブックス編集部

作家の住まい [編]コロナ・ブックス編集部

 ながらく東京でマンション暮らしをしていたが、いつか理想の家を建て、そこで創作に没頭するのが夢だった。一日中デスクに向かい合っても飽きない、そして仕事が終わればゆったりとくつろげるすまいを作りたい——という願望を、今年、………[もっと読む]

[文]原田マハ(作家) [掲載]2013年12月22日

植田正治のつくりかた [著]植田正治

植田正治のつくりかた [著]植田正治

 今年が生誕100年にあたる写真家の1929年の少年時代から2000年に亡くなる直前までの写真155点が収められている。写真なるものの機微をわきまえた成相肇のテキストは、植田の発想を、ていねいに解き明かしている。  タイ………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2013年12月15日

テクネ 映像の教科書 DVD BOOK [著]NHKテクネ制作班

テクネ 映像の教科書 DVD BOOK [著]NHKテクネ制作班

 「コマ撮り」や「影」といった基本から、「クラウドソーシング」という現代ならではのアイデアまで、映像を撮るための技法が12個紹介されている。小難しくなんかない。主に若手のクリエーターに対して、それぞれの技法を「お題」とし………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2013年12月08日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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