視線

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読書面に連載。画集、写真集などのビジュアル本をとりあげ、写真家の視点や被写体の造形的な美について解説します。

バックナンバー:2011年

丘の上の修道院 ル・コルビュジエ 最後の風景 [著]范毅舜 [訳]田村広子

丘の上の修道院 ル・コルビュジエ 最後の風景 [著]范毅舜 [訳]田村広子

 「変化」をめぐる写真集だ。舞台は、フランス・リヨン近郊、緑の丘の上に立つラ・トゥーレット修道院。建築家ル・コルビュジエの晩年の代表作のひとつである。そして著者は、敬虔(けいけん)なカトリック教徒でもある写真家。20年前………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2013年07月14日

LAND SPACE [著]瀧本幹也

LAND SPACE [著]瀧本幹也

 「ランドスケープ」ならぬ「ランド スペース」。いささか奇妙にも響く書名通り、この写真集は「ランド(土地)」と「スペース(宇宙)」からなっている。  まず後者のスペースの部分を担うのが、スペースシャトルの写真群だ。感動的………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2013年07月07日

ニッポン現代アート [著]高階秀爾

ニッポン現代アート [著]高階秀爾

 少し前に、現代アートの美術館を女性雑誌の編集者とともに訪れた。その人は、「恥ずかしい限りですが、私、現代アートというのがよくわからなくて……」と正直に打ち明けた。私は答えた、「わからなくて当然ですよ、私だってわからない………[もっと読む]

[文]原田マハ(作家) [掲載]2013年06月23日

旅の絵本 8 [著]安野光雅

旅の絵本 8 [著]安野光雅

 「安野光雅さんぐらいうまく絵が描ければ、どんなに楽しいだろう」。こんなことをよく考える。  無意味だとは分かっていてもそう夢想させるほどに、安野はうまい。精緻(せいち)にも洒脱(しゃだつ)にも、だまし絵風にも描けて、し………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2013年06月16日

篠山紀信 at 東京ディズニーリゾート HAPPINESS [著]篠山紀信

篠山紀信 at 東京ディズニーリゾート HAPPINESS [著]篠山紀信

 ロケ地は東京ディズニーリゾート。しかし「人(ゲスト)」は出てこない。登場するのは、ディズニーのキャラクターたちだけだ。  驚いたことに、彼らはそこでも笑っている。その純粋な笑顔をずっと眺めていると、アランの『幸福論』の………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2013年06月09日

〈遊ぶ〉シュルレアリスム [著]巖谷國士

〈遊ぶ〉シュルレアリスム [著]巖谷國士

 シュルレアリスム研究の泰斗が、「遊ぶ」をキーワードに、シュルレアリスムをやさしく解説した一冊である。  機械の操作部分に、設計段階で設けられる隙間を「遊び」と呼ぶ。隙間が必要なのは機械を順調に作動させるためだ。寸分の隙………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2013年06月02日

世界で最も美しい書店 The 20 Most Beautiful Bookstores in the World [著]清水玲奈

世界で最も美しい書店 The 20 Most Beautiful Bookstores in the World [著]清水玲奈

 かつて美術関係の仕事に携わっていたとき、世界各国の美術館を訪れていた。たいがいは難しい交渉やリサーチのための訪問であり、プレッシャーがあった。しかしそのプレッシャーから解き放たれる瞬間が、どの美術館にも用意されていた。………[もっと読む]

[文]原田マハ(作家) [掲載]2013年05月19日

サイクリング・ユートピア フランク・パターソン画集 [著]フランク・パターソン

サイクリング・ユートピア フランク・パターソン画集 [著]フランク・パターソン

 フランク・パターソンのイラストには、しばしば後ろ姿のサイクリストが登場する。後ろ姿は視線を画面の奥へといざない、ゆるやかに曲がりくねる道に沿って絵のなかへと引き込んでゆく。そこには、まるで絵のような、イギリスの田園地帯………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2013年05月12日

螺旋海岸|album [著]志賀理江子

螺旋海岸|album [著]志賀理江子

 第33回木村伊兵衛賞を受賞した志賀は、2008年の冬、ある松林を気にいり、その地域に住みたいと願った。そこ、すなわち宮城県名取市の北釜地区に住む人々は、30歳に満たない見ず知らずの女性を、訝(いぶか)しく思いながらも、………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2013年05月05日

シスコと生きる  [著]塔本シスコ

シスコと生きる  [著]塔本シスコ

 職業画家の絵は、表現や技法で○○派やら○○主義と細かく分類される。一方、市井の画家となれば、素朴派などとくくられてしまいがちだ。日本のものなら、土の香りはするもののあっさり淡泊な印象がある。しかし、塔本シスコ(1913………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2013年04月21日

Y.Ernest Satow [著]アーネスト・サトウ

Y.Ernest Satow [著]アーネスト・サトウ

 得も言われぬ美しい 写真集 である。作者は日本人の父とアメリカ人の母を持ち、日本に生まれアメリカで写真家となった。戦後、「来日/帰国」し、京都で結婚、晩年は大学で教鞭(きょうべん)をとった。音楽家バーンスタインやソビエ………[もっと読む]

[文]森村泰昌(美術家) [掲載]2013年04月14日

100 YEARS IN TOKYO 0才から100才までの東京人 [著]P・A・アシカイネン

100 YEARS IN TOKYO 0才から100才までの東京人 [著]P・A・アシカイネン

 東京在住の0歳から100歳までの肖像写真を、同年齢の男女を見開きに配してまとめた写真集である。撮影者はフィンランドの写真家で、2009年から12年にかけて、東京を舞台にこれらの肖像を撮った。  東京に住んでいるといって………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2013年04月07日

ロゴ コンストラクション 世界のロゴデザインの発想から完成まで [著]パウラ・ジャコムッシ

ロゴ コンストラクション 世界のロゴデザインの発想から完成まで [著]パウラ・ジャコムッシ

 本書に掲載されているのは、過去5年間に制作された世界中のロゴデザインから選び抜かれた69案。数がやや少ないのは、決定までの間に生み出された別案やスケッチをも紹介しているからだろう。クライアントとデザイナーの双方が最終案………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2013年03月24日

永井一正ポスター美術館 [著]永井一正

永井一正ポスター美術館 [著]永井一正

 亀倉雄策や田中一光から、当代の原研哉まで。戦後日本のグラフィックデザインは、シャープな造形で情報をくっきりと伝える、モダニズムデザインが王道なのだ。  日本グラフィックデザイナー協会長などを務めた永井一正(83)も当然………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2013年03月17日

南予写真 [著]南予ARTプロジェクト・浅田政志・澁谷征司

南予写真 [著]南予ARTプロジェクト・浅田政志・澁谷征司

 南予とは、宇和島をはじめとする愛媛県の南部一帯をさす。浅田政志は、南予に住む「人々」を撮り、澁谷(しぶや)征司は南予の海を中心とする「自然」を撮った。事前に役割を分担したわけではないのだろうが、浅田の「人」と澁谷の「自………[もっと読む]

[文]森村泰昌(美術家) [掲載]2013年03月10日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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