視線

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読書面に連載。画集、写真集などのビジュアル本をとりあげ、写真家の視点や被写体の造形的な美について解説します。

バックナンバー:2011年

続・祈りの彫刻―リーメンシュナイダーを歩く [著]福田緑

続・祈りの彫刻―リーメンシュナイダーを歩く [著]福田緑

 リーメンシュナイダーは15、16世紀のドイツを代表する彫刻家で、同時代人にデューラー、クラナッハらがいる。この時代はイタリア・ルネッサンスの最盛期にあたるが、ドイツは中世の後期に位置していた。いってみれば花ひらく近代の………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2013年03月03日

川瀬敏郎 一日一花 [著]川瀬敏郎

川瀬敏郎 一日一花 [著]川瀬敏郎

 「花人(かじん)」として花をいけ続けてきた著者が、東日本大震災の後、生まれて初めて花を手にすることができなくなったという。  しかし、被災地に生きる人たちの、花をながめる「無心の笑顔」をテレビで見て、無性に花をいけたく………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2013年02月17日

こびとの住む街 1・2  [著]スリンカチュ [訳]北川玲

こびとの住む街 1・2  [著]スリンカチュ [訳]北川玲

 一寸法師に親指姫、あるいはアリエッティ。いつの時代も、小さな人々の物語が紡がれてきた。  同時刊行された2冊の写真集の中でも、小さな人々は、けなげに都会を生きている。路上の水たまりは大海原、テニスボールの島でリゾートを………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2013年02月10日

東京散歩 [著]フロラン・シャヴエ [訳]山本知子+石田みゆ

東京散歩 [著]フロラン・シャヴエ [訳]山本知子+石田みゆ

 本書は、いわゆる「青い目の見た」日本滞在記である。フランス人の青年が約半年間に見た、東京の風景、人、出来事などが絵になっている。看板文字や街行く人々の服装、家々の外観や内部が微細に描かれ、コメントがつく。  日本を訪れ………[もっと読む]

[文]森村泰昌(美術家) [掲載]2013年02月03日

レンズが撮らえた F・ベアトの幕末 [著]小沢健志 [監修]高橋則英

レンズが撮らえた F・ベアトの幕末 [著]小沢健志 [監修]高橋則英

 本書のなかでも紹介されているが、スーザン・ソンタグは、写真は常に「死」と連れ立ってきたと指摘している。彼女が、こう指摘したとき思い浮かべていたのは、フェリーチェ・ベアトが先鞭(せんべん)をつけた凄愴(せいそう)な戦場の………[もっと読む]

[文]北澤憲昭 (美術評論家) [掲載]2013年01月20日

絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える [著]寄藤文平

絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える [著]寄藤文平

 著者はイラストを得意とするデザイナーだ。代表作に、電車内の情けない人の哀れを見事に捉えた、東京メトロの「家でやろう。」や、様々なマナーについてユーモラスに教えてくれたJTの「大人たばこ養成講座」がある。  代表作がいず………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2013年01月13日

絵金 極彩の闇 [監修]高知県立美術館

絵金 極彩の闇 [監修]高知県立美術館

 フェルメールの油絵だって、宗達の屏風(びょうぶ)だって、鑑賞の場所は美術館、というのが現代の相場だ。しかし土佐の国、高知県では今も、夏の祭礼になると境内や店の軒先に芝居絵屏風を出して、ろうそくの光などで照らし出す町が、………[もっと読む]

[文]大西若人 [掲載]2013年01月06日

BOOKS ON JAPAN 1931−1972 [著]森岡督行

BOOKS ON JAPAN 1931−1972 [著]森岡督行

 対外宣伝グラフ誌とは、観光、博覧会、オリンピック、美術展など様々なジャンルにおける、海外向けのいわば「お国自慢」を目的とした刊行物のことである。  本書はそのアーカイブ(記録)なのであるが、刊行物のビジュアルは、いずれ………[もっと読む]

[文]森村泰昌(美術家) [掲載]2012年12月16日

ネンドノカンド 脱力デザイン論 [著]佐藤オオキ

ネンドノカンド 脱力デザイン論 [著]佐藤オオキ

 粘土は感度がいい。手の動きに応じて、自在にかたちを変えてゆく。その能力が買われて、塑造(そぞう)は近代彫刻の王道となった。近代の芸術は、作者が王様だったからだ。  でも、現代では、すこし事情が異なる。作者は、かならずし………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2012年12月09日

東京建築 みる・あるく・かたる [著]倉方俊輔・甲斐みのり

東京建築 みる・あるく・かたる [著]倉方俊輔・甲斐みのり

 組み合わせがよい。明治から昭和までを得意とする男性の建築史家と、乙女的な感性を大事にする女性の文筆家。趣味から言って、プライベートでの接点などおよそないと思えるふたりである(失礼!)。でもそんなふたりが一緒に歩き、異な………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2012年12月02日

FISHING [著]笹岡啓子

FISHING [著]笹岡啓子

 タイトルにある通り、この本には釣りをする人たちを追った写真が多く収まっている。  釣りにさして関心のない身には興味がわくはずもないところだが、実際に手にとってみると、ちょっとうっとりとしながら引き込まれていった。  釣………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2012年11月18日

LABYRINTH(ラビリンス) [著]森山大道

LABYRINTH(ラビリンス) [著]森山大道

 写真家は、撮影したフィルムに何が写っているかを暫定的に知るために「密着焼き」というものを作る。密着焼きはネガフィルムをスリーブのまま印画紙上に並べ、ガラス板で抑え露光をかけて制作される。通常、写真家はまずこの密着焼きを………[もっと読む]

[文]森村泰昌(美術家) [掲載]2012年11月11日

里山のきのこ [著]本田尚子

里山のきのこ [著]本田尚子

 そのむかし、広島市の中心部に丹下健三がデザインした前方後円墳のようなかたちの児童図書館があった。円にあたる部分が逆シェル構造になっていて、上へ向けて開いていた。木陰の読書をイメージしたデザインだということだが、あれは、………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2012年11月04日

土偶・コスモス [編]MIHO MUSEUM

土偶・コスモス [編]MIHO MUSEUM

 今私たちが見ている土偶の多くは、当時、意図的に壊されたものなのだそうだ。とりわけ縄文中期以降、紀元前3300年以降の東日本でつくられた土偶の多くはそうなのだという。時には壊したい部分を予(あらかじ)め壊れやすくつくるこ………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2012年10月21日

沖縄写真家シリーズ〔琉球烈像〕第1巻 山田實写真集 故郷は戦場だった [著]山田實

沖縄写真家シリーズ〔琉球烈像〕第1巻 山田實写真集 故郷は戦場だった [著]山田實

 沖縄に生きる93歳の現役写真家がとらえた戦後風景で、しかもタイトルは「故郷は戦場だった」。誰だってちょっと身構えてしまうところだが、本を開けば、そんな先入観はくつがえされてゆく。  銃弾痕がある壁や、ほぼ何もない市街地………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2012年10月14日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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