文理悠々

文理悠々

文理悠々

「小説が好きだから科学記者になった」。そんな朝日新聞OB、尾関章による書評コラム。文系、理系の壁を越えて本の世界の魅力を伝えます。

大人もググッと、アンデルセン

大人もググッと、アンデルセン

 これは衛星文学と呼べないか。『絵のない絵本』(アンデルセン作、大畑末吉訳、岩波文庫)のことである。アンデルセンと聞くと、子どものための文学と思ってしまいがちだが、そうではない。この1冊には、大人がググッとくるような情感………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年11月18日

原発前夜の原子力「火遊び」論

原発前夜の原子力「火遊び」論

 ノーベル賞を1年休んでもいい、と僕がアスパラクラブ「科学面にようこそ」に書いたのは9月のことだった。深刻な原発事故を前にして、人類は科学技術とのかかわりを再考することを迫られている。ノーベル財団が、自然科学部門の授賞を………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年11月11日

北杜夫のユーモアを逆照射する

北杜夫のユーモアを逆照射する

 マンボウ人気強し。北杜夫死す、の知らせにひとかたならぬ衝撃を受けた人は、僕の周りにも何人かいた。1960~70年代、少年少女を中心に厚いファン層を得たのが、「どくとるマンボウ」シリーズなど北杜夫ユーモア文学群だった。自………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年11月04日

鷲田哲学、なんでおもろいのやろ

鷲田哲学、なんでおもろいのやろ

 関東人の関西弁ほど気持ち悪いものはない、とよく言われる。在関西経験10年余を誇るにしても、しょせんは東京育ちの僕は表題のようなぎこちないフレーズしか思い浮かばない。裏を返せば、関西文化はそれほど奥が深いということだろう………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年10月28日

散歩学を泉麻人流に究める

散歩学を泉麻人流に究める

 秋ど真ん中は散歩に限る。歩くことよりも街の空気に触れることに意味がある。風のそよぎに誘われて空間軸を動き回りながら、街景の背後に隠れる時間軸に思いを馳せる。なにも、明治大正や江戸時代、戦国の世や縄文弥生のころにまでさか………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年10月21日

タイムマシンは社会科のお話

タイムマシンは社会科のお話

 タイムマシンができる、できないという話には胸躍らない。理屈はともかく、現実味はほとんどないからだ。できたとしたらどうなるか。それを考えることこそおもしろい。人類史のひとこまを生きている自分という存在の不思議さに魅惑され………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年10月14日

宇宙は「なんでもあり」なのか

宇宙は「なんでもあり」なのか

 宇宙は、この宇宙だけじゃない。いや、それだけではない。いくつもある宇宙には、物理法則が違うものや空間が3次元でないものもある。そんな前衛絵画のような宇宙像が、いま科学者の間で真剣に議論されている。「なんでもあり」の宇宙………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年10月07日

宇宙も「たった一つ」じゃない

宇宙も「たった一つ」じゃない

 宇宙を1個2個と数える。それが間違いだ、という人は多いだろう。宇宙が1億個あったら、それらすべてを包み込むのが宇宙だからだ。その理屈の正しさはひとまず棚に上げて、今週から2回にわたって、宇宙がいっぱいあるという話をして………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年09月30日

秋だ、俳句だ、エリオット

秋だ、俳句だ、エリオット

 秋めいたので詩人になろう。そう思って、句会というものに生まれて初めて出た。ここで、「秋めく」には二つの意味を重ねている。一つは、ようやく猛暑が去ろうとしていること。もう一つは、自身が定年を経験して秋のモードに入ったこと………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年09月23日

今こそ求む! ハードボイルドだど

今こそ求む! ハードボイルドだど

「だど」って何だ。若い世代からは、そう突っ込まれそうだ。知っている人は知っている。僕はテレビっ子で、長じてもテレビ青年だったから、もちろん鮮明に覚えている。「俺、ハードボイルドだど」のあの一言を。  ボードビリアンと呼ぶ………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年09月16日

地球は「たった一つ」じゃない

地球は「たった一つ」じゃない

 秋から暮れにかけて僕は、サイエンスカフェ風の科学対話を試みる。「もう一つの」がキーワードの3回シリーズ。本当のカフェとは違ってコーヒーは出ないが、東京・新宿の朝日カルチャーセンターで、宇宙像が今どのように変わりつつある………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年09月09日

秋なので春樹訳「本当の戦争の話」

秋なので春樹訳「本当の戦争の話」

 秋になると、村上春樹が読みたくなる。10月のノーベル賞発表が頭の中にあって、今年はもしかして、と思うからだろうか。科学記者にとって、文学賞の予測はノット・マイ・ビジネスだ。それでも、春樹受賞があるかないかは毎年恒例の関………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年09月02日

菅直人青年の「すばらしい新世界」

菅直人青年の「すばらしい新世界」

 いよいよ退陣の日が迫ってきた菅直人首相。思えば、菅政権の誕生は、この「本読みナビ」が始まって2カ月後の去年6月のことだ。以来ずっと、ぜひともとりあげたいと思ってきた一冊がある。菅直人愛読の書とされる『すばらしい新世界』………[もっと読む]

[掲載]2011年08月26日

小松左京の時空をトラベル

小松左京の時空をトラベル

  「サイエンスとユーモアをあわせたら、シュールなものが出来るのではないか」。7月に80年の生涯を閉じたSFの巨星小松左京さんの言葉だ。大風呂敷の空想小説にあまり魅力を感じない僕は、左京ワールドにすっぽりとのめり込んだ経………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年08月19日

真夏の痛快「下町ロケット」考

真夏の痛快「下町ロケット」考

 科学記者なのに、僕は、ロケットに心がときめかない。種子島や内之浦や、あるいは南米仏領ギアナのクールーで、ロケットが天に向かって真っ直ぐ上昇する様子を見たことがあるが、正直に打ち明けると、あんまり感動しなかった。乗り物が………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2011年08月12日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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