2012年11月18日の書評一覧

2666 [著]ロベルト・ボラーニョ

2666 [著]ロベルト・ボラーニョ

■小説を怪物にする死と詩情と俗悪さ  〈寂寞(せきばく)〉ではなく、〈寂漠〉という文字が思い浮かんだ。寂しさの砂漠あるいは砂漠の孤独。チリに生まれ、青年期に母国の軍事クーデターに遭遇、メキシコ、フラ………[もっと読む]

[評者]小野正嗣(作家・明治学院大学准教授)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]文芸

64 [著]横山秀夫

64 [著]横山秀夫

■記者と警察、せめぎ合う迫力  著者7年ぶりの長編は、期待を裏切らぬ渾身(こんしん)の力作だ。  D県警警務部の広報官、三上義信警視は元捜査二課に所属する、辣腕(らつわん)の刑事だった。それが、人事………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]文芸

アグルーカの行方―129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 [著]角幡唯介

アグルーカの行方―129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 [著]角幡唯介

■先駆者の魂宿る、1600キロ踏査  1845年、欧州から北米大陸北側を抜けて太平洋に至る「北西航路」発見のため英国を出発したフランクリン隊は、北極圏で音信途絶、後に乗員129人全員が亡くなったと分………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

わたしは菊人形バンザイ研究者 [著]川井ゆう

わたしは菊人形バンザイ研究者 [著]川井ゆう

■老いも若きも楽しめる珍本  掛け値なしの、珍本である。  何しろ、類書が無い。菊の本は結構ある。菊人形に触れた本もあるにはあるけれど、研究書は無い。同じように私たちは菊人形を見たことはあるが、どの………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

遥かなる『文芸春秋』―オンリー・イエスタデイ1989 [著]白川浩司

遥かなる『文芸春秋』―オンリー・イエスタデイ1989 [著]白川浩司

 著者は1991年から3年間、「文芸春秋」の編集長を務めた。世界では冷戦が崩壊したが、日本はまだ55年体制下にあった。細川護熙氏による「日本新党」の結党宣言の掲載など、時代の変わり目に立ちあうことにな………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

批評時空間 [著]佐々木敦

批評時空間 [著]佐々木敦

 目の前で起きている芸術表現を糸口に、一見無関係な複数の経験が召喚され、未知の星座が心に現れる。感覚が思考に移ろうそんな過程をすくうかのような評論集である。「おのれの端緒がたえず更新されていく」体験を………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

愛と魂の美術館 [著]立川昭二

愛と魂の美術館 [著]立川昭二

■画と文に触発され思索の旅へ  絵と美術をめぐるエッセー集である。作品は、フラ・アンジェリコ「受胎告知」、シャガール「セーヌの橋」、中宮寺「半跏思惟(はんかしい)像」、上村松園「焔(ほのお)」……な………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

核の海の証言―ビキニ事件は終わらない [著]山下正寿

核の海の証言―ビキニ事件は終わらない [著]山下正寿

■高校生らと続けた被曝調査  ビキニで被災したのは第五福竜丸だけではなかった。米国の水爆実験に遭って被曝(ひばく)した日本船の乗組員の多くが、若くして病に倒れ、補償も受けられないまま亡くなっていった………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]社会

共産主義の興亡 [著]アーチー・ブラウン

共産主義の興亡 [著]アーチー・ブラウン

■20世紀の凄絶な失敗の墓碑銘  共産主義体制を擬人化すると受胎期から誕生、成長、そして死までの歩みを丹念に描いた墓碑銘、それが本書である。20世紀の壮大な実験の報告書ともいえようか。英国の政治学者………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]政治

私とは何か―「個人」から「分人」へ [著]平野啓一郎

私とは何か―「個人」から「分人」へ [著]平野啓一郎

■自分の中に自分はいない  学生時代、京都に住んだ時、興味深いことに気づかされた。東京では道路に囲まれた領域が町名・番地だったのに、京都では道を挟んで両側に町がある。社会が人と人の相互作用の上に成り………[もっと読む]

[評者]福岡伸一(青山学院大学教授・生物学)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]新書

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