写真:柄谷行人さん

プロフィール公式柄谷行人 (哲学者)
1941年兵庫県生まれ。著書に『漱石詩論』(群像新人文学賞)『マルクスその可能性の中心』(亀井勝一郎賞)『坂口安吾と中上健次』(伊藤整文学賞)『日本近代文学の起源』『隠喩としての建築』『トランスクリティーク』『ネーションと美学』『歴史と反復』『世界史の構造』など。

柄谷行人(哲学者)の書評

抵抗の場へ あらゆる境界を越えるために マサオ・ミヨシ×吉本光宏著

抵抗の場へ あらゆる境界を越えるために マサオ・ミヨシ×吉本光宏著

 「移動」し続ける稀有な人物の軌跡 もし戦前・戦中の日本で通常の英語教育を受けた日本人が、戦後まもなくアメリカに渡り、名門大学の英文科教授になったとしよう。それは一事件と呼ぶに値する。大学でも差………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2007年04月15日
[ジャンル]人文 

金と芸術―なぜアーティストは貧乏なのか? [著]ハンス・アビング

金と芸術―なぜアーティストは貧乏なのか? [著]ハンス・アビング

■国家と資本が価値の「神話化」に寄与 芸術への崇拝は、十九世紀西洋で、ブルジョア的な金権と経済合理性に対するロマン主義的反撥(はんぱつ)として生じた。芸術家は金のために仕事をするのではない、美的………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2007年02月25日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能 

獄中記 [著]佐藤優

獄中記 [著]佐藤優

■矛盾が共存、驚嘆すべき知性の活動 本書は、かつて「外務省のラスプーチン」と呼ばれた著者が起訴され、独房に拘置された五一二日間に書いた膨大な読書ノートや書簡を圧縮し編集したものである。著者はこの………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2007年01月28日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 

アナーキスト人類学のための断章 [著]デヴィッド・グレーバー

アナーキスト人類学のための断章 [著]デヴィッド・グレーバー

■「国家と資本に対抗」も人間の本性 著者は人類学者であり、アナキストの活動家である。人類学とアナキズムの結びつきは唐突ではない。「未開社会」を対象としてきた人類学者モース、クラストル、サーリンズ………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2006年12月17日
[ジャンル]人文 

朝鮮通信使をよみなおす―「鎖国」史観を越えて [著]仲尾宏

朝鮮通信使をよみなおす―「鎖国」史観を越えて [著]仲尾宏

■愚かしい反復を免れるために 近年、日本と中国や韓国・北朝鮮との関係が緊迫してきている。これをたんに「戦前の回帰」として見るのは不十分である。たしかにそれは歴史的な反復ではあるが、そのような反復………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2006年12月03日
[ジャンル]歴史 

資本主義に徳はあるか [著]アンドレ・コントスポンヴィル

資本主義に徳はあるか [著]アンドレ・コントスポンヴィル

■道徳を経済・政治に持ち込む危険 われわれは、ある現象を体験するとき、たんに知的に認識するだけではない。同時に、それに対して道徳的な判断をし、また快・不快のような情動を感じる。これらを区別するこ………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2006年10月22日
[ジャンル]政治 経済 人文 

アメリカ憲法の呪縛 [著]シェルドン・S・ウォリン

アメリカ憲法の呪縛 [著]シェルドン・S・ウォリン

■人民の名のもとに国家権力を拡張 本書の表題は、直訳すれば「過去の現存」である。それはどのような「過去」か。たとえば、フランスの思想家トクヴィルは「アメリカには封建制の過去がない」と述べたが、そ………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2006年09月03日
[ジャンル]政治 

反ファシズムの危機 [著]セルジョ・ルッツァット

反ファシズムの危機 [著]セルジョ・ルッツァット

■伊でも強まる歴史修正主義を批判 第二次大戦は、日独伊三国同盟(一九四〇年九月締結)と米英ソなどの連合軍の間の戦争であった。ゆえに、日独伊の三国が戦争期のみならず、敗戦後の状況においても類似する………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2006年07月30日
[ジャンル]歴史 政治 

漱石という生き方 [著]秋山豊 

漱石という生き方 [著]秋山豊 

■作品への野心なき姿勢が新鮮 近年私は文芸評論を読む気がしない。それらは新しく見せようと奇をてらい、新知識を動員しているが、どれもこれも陳腐である。そもそも書いている人が何のために文学をやってい………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2006年06月11日
[ジャンル]文芸 

思索日記1 1950−1953 [著]ハンナ・アーレント、[編]ウルズラ・ルッツ/インゲボルク・ノルトマン

思索日記1 1950−1953 [著]ハンナ・アーレント、[編]ウルズラ・ルッツ/インゲボルク・ノルトマン

■「他者性」否定の全体主義、起源は古代 本書は、アーレントが一九五〇年から七三年にいたるまで書いたノートを編纂(へんさん)した本の第一巻である。ここには五〇年から五三年にかけてのノートが収録され………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2006年05月14日
[ジャンル]人文 

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