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「ぼくの植え方 日本に育てられて」書評 写真家らしい詩的な感性

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2011年05月01日
ぼくの植え方 日本に育てられて 著者:エドワード・レビンソン 出版社:岩波書店 ジャンル:小説・文学

ISBN: 9784000247757
発売⽇:
サイズ: 20cm/226p

ぼくの植え方 日本に育てられて エドワード・レビンソン著


 アメリカに生まれ、日本に暮らして30年になる写真家が、精神的・物理的な「流浪の民」としての半生や、ガーデナーや農民として大地に接することで感じたこと、エッセイストの妻との運命的な出会いなどをランダムにつづった。著者は最初の結婚に失敗し、バックパック一つで母国を離れて日本を訪れ、見知らぬ人たちの厚意に身をゆだねたり、造園会社で働いてみたり、自然農法のカリスマを訪ねたりしながら、ゆっくりと日本での人生の形を整えてきた。自然と調和して暮らす生活の美しさや田園地帯に生きる人々との心の交流など、自然を愛する写真家らしい詩的な感性の文章が、新緑のようにみずみずしい。

 (鶴田静訳、岩波書店・2520円)