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「上野千鶴子に挑む」書評 教え子による論文集

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2011年05月15日
上野千鶴子に挑む 著者:千田 有紀 出版社:勁草書房 ジャンル:社会・時事・政治・行政

ISBN: 9784326653584
発売⽇:
サイズ: 20cm/495,4p

上野千鶴子に挑む [編]千田有紀

今春、東京大学を退職した社会学者・上野千鶴子の教え子による論文集。1980年代の消費社会論、「対幻想」をめぐる議論、主婦論争から「従軍慰安婦」問題、近年の「おひとりさま」まで、上野が向き合ってきた多彩なテーマをめぐり問いを投げ、師が答える。
 メディアでは「ザ・フェミニスト」として知られる上野は、学生には社会学の訓練を徹底して施した。東大での18年は、ジェンダー研究が学界で認知される過程でもあった。一方、言論界で上野の後継となるようなフェミニズムの論客は育ったか。巻末のインタビューでは、上野が自分自身の「功罪」を語っている。(勁草書房・2940円)