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伊藤計劃記録:第弐位相 [著]伊藤計劃 [編]早川書房編集部

[評者]

[掲載]2011年05月15日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 SF作家の伊藤計劃はがんと闘い、一昨年、死去した。享年34。早世した作家の作品や日記(ブログ)を集めた「最後の新刊」になる。ゲームデザイナー小島秀夫の影響を受けた小説は作家の原点を、自筆の漫画は作家の多彩さを示す。2004年から09年までの日記は、膨大な映画評と共に、死に向かうなかで創作に向かう姿が刻まれている。米国のSF賞「フィリップ・K・ディック賞」特別賞を受賞した遺作の小説「ハーモニー」が、なぜ過度な健康管理の社会を描いた作品なのか。日記はそのメーキングとして読める。作品完成後の、最後の日記に、こんな一文がある。「今年は何とか病を治して、社会復帰できればいいなあ、と思います」(早川書房・2100円)

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