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明治の東京写真―新橋・赤坂・浅草 [著]石黒敬章

[評者]

[掲載]2011年07月17日

[ジャンル]歴史 人文

表紙画像

 今回の大震災の経験が、先行する「丸の内・神田・日本橋」編と共に、この本に接した時の思いを、ずいぶん変えるような気がする。タイトル通り、650点余の古写真や絵はがき、幻灯写真などで、帝都の町並みをよみがえらせる。その姿は、関東大震災、東京大空襲で崩れ、焼き尽くされ、現在とは大きく違う。が、地名や町が独自に持つ雰囲気、気質、そしてわずかに残った面影により、今につながるものを感じとれる。それが、地に足がついた歴史であり、文化というものだろう。
 「復興」という名の下に、われわれは何を捨て、失ってきたのか。残し、引き継ぐべきは何なのか。今の日本の大きな課題に重ならないか。(角川学芸出版・3360円)



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