書評・最新書評

11 eleven [著]津原泰水

[評者]

[掲載]2011年07月24日

[ジャンル]文芸

表紙画像


 奇書と呼ばれる作品がある。例えば中井英夫の「虚無への供物」であり、夢野久作「ドグラ・マグラ」である。津原泰水の小説「11」もまた、奇書である。世界は途方もなく妖しく、美しい。
 1999年から津原が手掛けた短編小説を、11編、集めた。SFの傑作選などに採録されたものが中心で、質の高い作品が並ぶ。
 「五色の舟」は戦時下、異形をなりわいとする一団が描かれる。「和郎」には腕がなく、語を発せない。やがて彼らは「別のあり得べき世界」へ、航路を向けていく。
 「五色の舟」に登場する「斐坂」は「微笑面・改」の主人公。世界はつながっている。「和郎」も、どこかに生きている気がしてくる。
    ◇
 河出書房新社・1785円



関連記事

ページトップへ戻る