書評・最新書評

いつだって大変な時代 [著]堀井憲一郎

[評者]

[掲載]2011年07月31日

[ジャンル]人文

表紙画像

 少し前の時代の空気を私たちは忘れている。「バブル」とみんなが呼ぶようになったのは、バブルが終わった1990年代以降。87年ごろの週刊誌の見出しは土地高騰に批判的で、88年になって金もうけ指南に転じる。3D映画は40年代から「決して新しいものではない」と言われていた。
 「今は大変な時代」とよく言うけれど、いつだって、「今は大変」と人は考える。「この時代を生きる自分は特別だ」と思いたいからだ。著者は「本当に大変な瞬間」を見抜くために「今は大変じゃないと考えてみる」という。果たして震災後の今は「本当に大変な瞬間」じゃないのだろうか。この本が10年後、どう読まれるだろう。

関連記事

ページトップへ戻る