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戦国時代の足利将軍 [著]山田康弘

[評者]

[掲載]2011年08月07日

[ジャンル]歴史

表紙画像


 足利将軍というと、どうもパッとしない印象がある。特に応仁の乱後、威光は地に落ち、室町幕府はあってなきがごとき状態であったと語られることが多い。しかし、それでも幕府はその後約100年間続いた。そこに何らかの必然性があったはずだと考えた著者は、無力とされてきた足利将軍と「前代のあらゆる公権力」を否定したはずの戦国大名が、相互に補完的な役割をもって依存し合っていたことを明らかにする。
 強力な中央政府が機能せず、各地に大名が割拠した戦国時代の日本と、世界政府がいまだ存在しない現在の国際社会に「形態的な類似性」を見いだし、将軍を国連、大名を独立国家の元首になぞらえる視点がユニーク。
    ◇
 吉川弘文館・1785円

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