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江戸尾張文人交流録—芭蕉・宣長・馬琴・北斎・一九 [著]青木健

[評者]

[掲載]2011年10月16日

[ジャンル]人文

表紙画像

 松尾芭蕉が名古屋の門人たちと歌仙「冬の日」の興行をしたのは1684年。俳諧の新潮流である「蕉風(しょうふう)」発祥の地の石碑が市内にあるそうだ。本書に登場する文人たちは、京都に起こり、江戸、名古屋へと波及した出版ジャーナリズムを舞台とした点が、決定的に新しいと著者はいう。芭蕉真筆の懐紙を店に掲げて精神的支柱とした風月堂、37年がかりで『古事記伝』44冊を出し、「北斎漫画」の初編も手がけた永楽屋、滝沢馬琴に広告文を書いてもらった貸本屋大惣……名古屋の代表的な大店(おおだな)と文人たちのつながりを織っていくと、江戸期の文化状況が従来とは違う照明を浴びて浮かび上がってくる。
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 ゆまに書房・1890円



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