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アーティストのためのハンドブック [著]デイヴィッド・ベイルズ、テッド・オーランド [訳]野崎武夫

[評者]山形浩生(評論家)

[掲載]2012年01月22日

[ジャンル]アート・ファッション・芸能

表紙画像

■勇気を与える古典的なガイド

 自分に才能はあるのか、商業主義に迎合していいのか、このまま芽が出なかったらどうしよう、空気を読むべきか、スランプからどう脱出すべきか、自分のやっていることに意味はあるのか——本書が正面から取り組むアーティストの悩みは、他の人々も日々直面するものだ。そして本書が与える回答やヒントも、ごくストレートなものだ。才能より努力、でもその努力が報われる保証はない。正解はないので苦闘するしかない、でも同じ苦闘するなら、やりたいことをしよう——その答えも、他の仕事や活動すべてにあてはまり、アーティスト以外でも勇気づけられる。
 むろん、アート業界特有の問題などにも触れる。同じくアーティストの古典ガイドとして読み継がれ最近翻訳された、ヘンライ『アート・スピリット』よりは実務的ながら、いずれも長年読み継がれてきただけあって、シンプルで穏やかで普遍性を持つ。仕事、学業その他すべてに悩む人々におすすめ。
    ◇
フィルムアート社・1785円

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