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走れ!助産師ボクサー [著]富樫直美

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)

[掲載]2012年01月22日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝

表紙画像

■仕事の傍ら世界に挑戦!

 今年のロンドン・オリンピックから正式種目として採用される女子のボクシング。日本には、WBCやWBAなどに公認されている世界チャンピオンが何人もいるらしいが、本書の著者もその一人。しかも、現役のWBC世界ライトフライ級王者でありながら、職業は助産師なのだ。
 昨年のワールドカップで優勝した女子サッカーの「なでしこジャパン」では、選手たちがさまざまな仕事について生活費を稼ぎながら練習を続けている様子が報道され、印象に残った。本書でも、明るく頑張り屋の著者が、職場の理解と応援を得ながらボクシングを続ける様子が爽やかに語られている。チャンピオンベルトを手にするまでの努力と根性は脱帽ものだが、所々に挿(はさ)まれた助産師ならではのコラムも面白い。
 野球やサッカーで億単位の報酬を手にする男性トップ選手の活躍に注目が集まりがちだが、仕事の傍ら世界に挑戦している著者のような選手たちの存在も忘れたくない。
    ◇
NTT出版・1260円

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