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第十堰日誌 [著]姫野雅義

[評者]

[掲載]2012年02月05日

[ジャンル]社会

表紙画像

 公共事業の是非をめぐる住民投票が、徳島市で2000年に実現したのはなぜか。
 吉野川に約260年前に築かれた「第十堰(ぜき)」を壊し、可動堰を造る計画が住民の知らないうちに進んでいた。その計画の賛否を問う住民投票運動をリードし、ついには建設中止に導いた著者(1947〜2010)のコラムをまとめた本書に、答えはある。
 「住民が気づき動かない限り、吉野川は守れない」と考え、問題が一人一人の心に響くよう力を注いだ。「反対運動」を作るのではなく、住民が正確に判断できるように建設省(当時)から情報を引き出し、提供した。「運動の本当の相手とは、建設省である以上に流域住民だった」という言葉が今後のヒントになる。
    ◇
 七つ森書館・1575円

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