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「ベリーダンスの官能」書評 自分らしく生きるための身体表現

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2012年03月25日
ベリーダンスの官能 ダンサー33人の軌跡と証言 著者:関口 義人 出版社:青土社 ジャンル:芸術・アート

ISBN: 9784791766413
発売⽇:
サイズ: 20cm/291p

ベリーダンスの官能―ダンサー33人の軌跡と証言 [著]関口義人

 きらびやかなうすぎぬ。うねる腹。中東・アラブに端を発するベリーダンスは異国情緒と妖しい美しさによって西欧でも人気を博した。国内では1980年代から浸透し、今や愛好者は10万人を超えるとも言われる。本書が取り上げるのはブームの源、海老原美代子に始まり、ファン層を広げたミシャールやニコル、早大理工の修士課程出身という異色の新世代、フーリアら。生い立ち、ダンス観は異なれど、「身体の解放」「女性性の肯定」というフェミニズム的テーマで共鳴し合う。かつて、この踊りは、エジプトでもトルコでも誰かへの性的アピールと結びついていた。けれど、現代では、女性がより自分らしく生きるための身体表現となったのだ。
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 青土社・1890円