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圏外に立つ法/理論―法の領分を考える [編]江口厚仁・林田幸広・吉岡剛彦

[評者]

[掲載]2012年05月20日

[ジャンル]社会

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 コンプライアンス、裁判員制度……。社会の隅々まで「法」が入りつつあるようにみえる現在だが、法が及ばない領域は存在する。法の「圏外」「圏内」のせめぎ合いを、法社会学者が様々な事例からたどる。
 現在、交通死亡事故遺族への賠償は高度にシステム化されているが、死別の悲しみは金銭のみで癒やされるのか。乳がんで乳房を失った人が乳房を再建しようとしても公的補助は受けにくい。「見た目」は法的保護の対象にはなりにくいのだ。検察審査員の経験者は、「法の限界」に割り切れない思いを抱く。
 学者だけでなく、労働運動、市民活動などの現場にかかわる人からの声もおさめている。
    ◇
 ナカニシヤ出版・2520円

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