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スクール・アート [著]中川素子

[評者]

[掲載]2012年07月22日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝

表紙画像

 現代美術は、学校や教育、そのなかの子どもたちをどう表現しているのだろうか。造形美術論が専門の著者は数年かけて、写真や映像、絵画、インスタレーションなど約25点の作品と向きあい、作者と語らってきた。その初々しいリポートが届いた。
 画家の石田徹也(1973〜2005)は現代人の孤独や不安を、物や風景と一体化してしまった人物像で表現した。この手法で空虚な教育空間をとらえた作品が「囚人」(99年)だ。子どものようにも見える巨大化した若者は、頭や両手を学校の校舎から突きだしたまま、囚人のように身動きがとれない。うつろで悲しげな表情を見て、「これは自分だ」と感じる子どもも多いのではないか。
    ◇
水声社・2940円


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