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甲子園2連覇―焼け野原から立ち上がった球児・福嶋一雄 [著]大羽武

[評者]

[掲載]2012年08月19日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝

表紙画像

 1947年と48年の「夏の甲子園」は、旧制小倉中学—新制小倉高校が2連覇した。エースは福嶋一雄。後に早稲田大、八幡製鉄でも野球部の中心投手だった。著者は小学生のころ、社会人野球で福嶋を見てあこがれ、終戦直後の人々を勇気づけた高校球児たちの栄光を歴史にとどめようと記録をたどり、福嶋本人にも会って話を聞いた。
 焼け野原の中、満足な道具もなく裸足で猛練習。当初、米は持参で、負けたチームは残りを勝ったチームに譲って去り、占領軍は勝利チームに米国製白球を贈ったという。映像も録音も残っていない当時の高校野球への熱狂を、ひたすら活字で再現。時代を経ても持ち続けた熱い思いを、本に込めたかのようだ。
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朝日クリエ・1470円

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