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原真人 書評委員お薦め「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2012年12月23日

表紙画像

(1)成熟社会の経済学(小野善康著、岩波新書・798円)
(2)探求 エネルギーの世紀 上・下(ダニエル・ヤーギン著、伏見威蕃訳、日本経済新聞出版社・各2415円)
(3)チャイナ・ナイン(遠藤誉著、朝日新聞出版・1785円)
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 (1)はデフレ研究の第一人者がデフレの原因や処方箋(せん)を一般読者向けに、かみくだいて書いた本。学界でも未決着の論争だが、著者のお金フェチ説は説得力がある。最先端の学説のエッセンスがギュッと新書に凝縮されていてお買い得。
 (2)の著者は20年前に世界的ベストセラー「石油の世紀」を書いたエネルギー問題の大家。福島第一原発事故、「アラブの春」という歴史的な大事件を経て、改めてエネルギー事情を俯瞰(ふかん)し直した大作。エピソードも豊富で読みごたえあり。
 (3)は中国を動かす共産党政治局常務委員9人(現在は7人)のパワーゲームの実態を克明に解説した書。新情報満載のこの本が、今秋の中国の政権交代をめぐる日本の報道に与えた影響は小さくなかったろう。
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 原真人(本紙日曜経済面コラム「波聞風問」を1週おきに担当。書評委員を初経験。どちらも読者の反応が多く刺激的。)

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