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山形浩生 書評委員お薦め「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2012年12月23日

表紙画像

(1)FabLife(田中浩也著、オーム社・2310円)
(2)青い脂(ソローキン著、望月哲男・松下隆志訳、河出書房新社・3675円)
(3)True Feelings(初沢亜利著、三栄書房・2800円)
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 (1)はパソコン革命に続く個人製造業時代の幕開けを告げる本の代表として。もう少し奔放な大風呂敷としてはアンダーソン『MAKERS』(NHK出版)も。小説は……(2)の衝撃のお下劣力は無敵。他にミラー『ビッグ・サーとヒエロニムス・ボスのオレンジ』(文遊社)と刊行が始まったダレル『アヴィニョン五重奏』(河出書房新社)が注目。(3)は東北震災から一年の変遷をとらえた、震災ではなく復興の写真集。異様な瓦礫(がれき)の横での平然とした日常に希望と悲しみが同居する不思議な映像の集まり。課題の残る復興を考える背景としてぜひ。他に呉秀三他『精神病者私宅監置の実況』(医学書院)は精神医療の問題を明治期に詳しい実態調査で明らかにした名著の現代語訳で建築的にも興味深かった。
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 山形浩生(クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』等邦訳。長年紹介してきたリフレ政策が選挙の争点になり感動。)

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