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いい芝居 いい役者 [著]篠井英介

[評者]

[掲載]2013年01月13日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 役者の仕事には「尋常ならざる高揚感」が訪れる瞬間があり、その点でスポーツと似ているという。しかし、芸術には勝ち負けがなく、しかも他の芸術とちがって演劇は、自分で自分の作品を見ることはできない。それを「素敵じゃない?」と著者は書く。現代演劇の「女方」として、自身がブランチを演じた「欲望という名の電車」解釈なども面白い。上手な役者を見るのも芝居見物の楽しみだが、「いい芝居があってその中にいい役者がいる、というほうが好き」と言い、芝居好きとして数々の舞台を見ての感想は「ズバリ、入場料が高い」と辛口だ。演じる自分を突き放して見るクールさと、演劇への熱い愛がともに伝わってくるエッセー集。
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 三月書房・2310円

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