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原発と裁判官―なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか [著]磯村健太郎・山口栄二

[評者]

[掲載]2013年05月05日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝

表紙画像

 原発の建設や稼働をやめるよう住民が求める裁判は、1970年代以降数多く起こされたが、住民側が勝訴したのは現在のところ地裁・高裁での2件のみ。裁判官はどのような判断から判決を下したのか。一、二審の裁判官6人の証言を得て各判決の論理をたどり、苦悩を聞き出すとともに、「よほどのことがないかぎり行政庁の判断を尊重する」としか見えない最高裁の硬直したあり方を批判的に紹介する。中で「勝訴」の2判決は、3・11のメルトダウンを予見するかのように、現実的な危機意識に基づいていたことが、今さらながら明確だ。大震災以降、新しいかたちの原発訴訟が増えているという。事故を経験して、裁判官は変わりうるのか。
    ◇
 朝日新聞出版・1365円



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