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ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた [著]青山通

[評者]

[掲載]2013年07月28日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝

表紙画像

 1968年、7歳の筆者は「ウルトラセブン」の最終回に衝撃を受ける。愛するダンに自分はウルトラセブンだと告げられたアンヌ隊員。その背景で「なぜ?」と疑問符を畳みかけるかのように強く和音を刻む硬質のピアノのタッチに、心を射抜かれたのだ。曲はシューマンのピアノ協奏曲だと知り、筆者はレコードを買いにいくが、あまりの印象の違いに失望する。同じ曲が、演奏により全く違う命を得るというクラシックの本質に目を開かされ、聴き比べる楽しみを知る。テレビにラジオ、BGMなど芸術の世界への入り口は限りなく存在する。人生を豊かに彩る芸術との出会いを、ひとりでも多くの子供に、と祈りたくなる一冊だ。
    ◇
 アルテスパブリッシング・1680円

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