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海辺の恋と日本人―ひと夏の物語と近代 [著]瀬崎圭二

[評者]

[掲載]2013年09月08日

[ジャンル]歴史 人文

表紙画像

 今でこそリア充が集う場となっている海水浴場だが、明治時代、日本でこの習慣が始まった当初は、湯治のような医療行為の一つと受け止められていた。それが恋の場所となっていく。変遷を、漱石から石原慎太郎「太陽の季節」、雑誌「ポパイ」、松本隆に至るまでの文学、映画、雑誌、歌やマンガから読み解く。すでに明治30年代に海水浴はレジャーとしての意味合いが強くなっており、当時の小説でも、男女の出会いの場としての描写が登場している。大正時代にはスポーツとしても注目され、戦後になると、南国リゾート風、アメリカンなイメージで描かれる。描写の違いはあるものの、「恋愛の場としての海」は100年前から変わらない。
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 青弓社・1680円

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