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イーハトーブ・ガーデン―宮沢賢治が愛した樹木や草花 [著]赤田秀子

[評者]

[掲載]2013年09月29日

[ジャンル]文芸 科学・生物

表紙画像

 宮沢賢治の詩や短歌、童話には約260種の草花と約120種の樹木が登場する。賢治の文語詩に取りくむ在野の研究者である著者は、そんな植物を市民農園で育てたり、賢治の原郷イーハトーブで撮影したりしてきた。その美しい写真に、簡潔で心のこもった文章が添えられている。
 賢治はリンドウを月長石に例えるなど、植物に鉱物的な比喩を使った。アセビをその英名からアンドロメダと呼び、小花が群がる様はなるほど星が密集したアンドロメダ大星雲を思わせる。賢治のなかでは植物も鉱物も星も隔たりがない。ページをめくっていると、賢治が作詞・作曲した「星めぐりの歌」ならぬ、「花めぐりの歌」が聞こえてくる。
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 コールサック社・1575円

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