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謎と暗号で読み解く ダンテ『神曲』 [著]村松真理子

[評者]

[掲載]2013年12月08日

[ジャンル]人文

表紙画像

 「西洋史上、最高の文学」とも評されるダンテ『神曲』。さながら言葉で築き上げられた大聖堂だ。一見取っつきにくい古典だが、本書は挑戦する手がかりを与えてくれる一冊。
 14世紀初頭に書かれたこの叙事詩には、幾重にも寓意(ぐうい)が埋め込まれている。探求心に突き動かされた航海の末に、神の意志で海底へとのみ込まれる古代の英雄ウリッセ(オデュッセウス)のエピソードが印象的だ。読者は、人間が知を追求することは罪なのか?という問いを突きつけられる。キリスト教世界に生きたダンテに限らず、原発を生み出した科学技術を思えば、現代を生きる私たちにも切実な問いとなる。
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 角川oneテーマ21・820円

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