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川端裕人 書評委員が選ぶ「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2013年12月29日

表紙画像

(1)極楽鳥全種(T・レイマン、E・スコールズ著、黒沢令子訳、日経ナショナルジオグラフィック社・3990円)
(2)REAL BONES(湯沢英治写真、東野晃典構成・文、早川書房・9450円)
(3)シッダールタの旅(竹田武史構成・写真、ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳、新潮社・1575円)
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 極楽鳥39種を網羅した写真集(1)は鮮烈。希少かつ色彩豊かで美麗な一群の鳥を8年かけて追い求めて実現した「全種」の重みを、しっかりずっしりと表現する。一方、(2)は彩りをそぎ落としたモノクロームの「骨」写真集。生き物の骨格の造形を愛(め)でつつ、その「機能」を思い描き、進化の不思議にまで思いを馳(は)せてしまった。両写真集とも、ウェブや展覧会などと連動し、補完しあってさらに大きな表現をなしていることも印象的。(3)は、ヘルマン・ヘッセの小説に写真家がインドで撮影した作品を合わせたコンセプチュアルな書籍。ヘッセの名作に、写真を通してひとつの解釈を与えることになるわけだが、押しつけがましさはなく、じっくりしみじみと文字と写真の共鳴を味わうことができた。
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 川端裕人(わりとよく海外に出た1年。研究者を訪ねたモーリタニアのサハラ砂漠のバッタの群れが目に焼き付いている。)

■「REAL BONES」の写真特集はこちらから

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