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原真人 書評委員が選ぶ「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2013年12月29日

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(1)知の逆転(ジェームズ・ワトソンほか著、吉成真由美インタビュー・編、NHK出版新書・903円)
(2)連続講義・デフレと経済政策(池尾和人著、日経BP社・1785円)
(3)国家はなぜ衰退するのか 上・下(ダロン・アセモグルほか著、鬼澤忍訳、早川書房・各2520円)
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 (1)はジャレド・ダイアモンドら世界の知性6人に、教育、宗教、推薦本など横断的テーマを存分に語らせた。楽しく刺激的で内容も濃く、インタビューの奥深さを教えてくれる。ベストセラーもうなずける一冊。
 (2)は正統派の経済学者による正統的なアベノミクス分析の決定版。ちまたでは政権にすりよる言説、いかがわしい経済理論があふれている。真摯(しんし)に経済学に向き合い、冷静に政策を論じる著者のような経済専門家が少ないのはさびしい。
 (3)は経済本で今年最大の力作。世界数十カ国、300年の歴史を「制度」という問題意識をもってていねいにたどり直し、新たな仮説を生みだした。賛否はあっても、国家システムはどうあるべきかを論じるのに欠かせない一冊となろう。
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 原真人(アベノミクスなどを解説した『朝日新聞記者が明かす経済ニュースの裏読み深読み』を刊行。書店のトークショーにも初挑戦した。)

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