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水無田気流 書評委員が選ぶ「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2013年12月29日

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(1)都市はなぜ魂を失ったか ジェイコブズ後のニューヨーク論(シャロン・ズーキン著、内田奈芳美・真野洋介訳、講談社・3990円)
(2)ヨハネスブルグの天使たち(宮内悠介著、早川書房・1575円)
(3)ア ナザ ミミクリ(藤原安紀子著、書肆山田・2730円)
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 書評しそこねたものより三冊。(1)都市の「オーセンティシティー(真正性)」を、起源と新たに形成された特性の二側面から詳解、継続性の観点から再考した新機軸の都市社会学書。地域振興や創造都市の今日的課題を問う際にも必読。
 (2)日本製少女型ホビーロボットDX9が、耐久試験のため毎日大量に空中から落下するディストピア。かつて美女型ロボットは、リラダンのハダリーのごとく単独で主人公たちを魅惑したというのに。強烈な印象を放つ美と政治の交錯。
 (3)ミミクリとは、耳繰りか。「みみにふきかける いくまのねみを」「しおり ちり ささけるおもさから しかし/あしあとのない みに はいる」。めくるめく言葉の音触り、音への信仰にも似て。
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 水無田気流(共著『女子会2.0』(NHK出版)上梓、日本女性学会報告と女性縁に恵まれた年。新年の希望は執筆の渋滞からの脱出……。)

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