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三浦しをん 書評委員が選ぶ「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2013年12月29日

表紙画像

(1)脊梁山脈(乙川優三郎著、新潮社・1785円)
(2)BABEL(重松成美著、小学館・750~800円、3巻まで発売中)
(3)「アドリアン・イングリッシュ」シリーズ(ジョシュ・ラニヨン著、草間さかえ絵、冬斗亜紀訳、新書館・945円)
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 (1)は冒険小説であり推理小説であり恋愛小説でもある傑作。今年読んだなかで最も胸打たれた。古代史まで視野に収めたスケールの大きさと、骨太かつ丁寧な人物描写が魅力的だ。
 (2)は電子書籍全盛となった未来の世界で、「最古の紙の本」の謎に迫るSFファンタジー。豊かなイメージで描かれる物語は、ひとの心の深淵(しんえん)、「記述」や「伝達」とはなんなのかという問題へと踏みこんでいく。いま一番つづきが気になる漫画だ。
 (3)のシリーズは現在、『天使の影』『死者の囁(ささや)き』の二冊が刊行中。最近、男同士の海外ロマンス小説がけっこう翻訳出版されているが、なかでもこの著者の作品は、ミステリーと恋愛のバランスがよく、盛大にときめくことができるのでおすすめだ。
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 三浦しをん(『政と源』『まほろ駅前狂騒曲』と小説が2冊出ました。年内に刊行できなかった本も2冊あり。嗚呼(ああ)。)

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