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出久根達郎 書評委員が選ぶ「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2013年12月29日

表紙画像

(1)貸本関係文献書誌(大竹正春・藤島隆編、金沢文圃閣・2万6250円)
(2)辞書の仕事(増井元著、岩波新書・798円)
(3)ぼくは戦争は大きらい やなせたかしの平和への思い(やなせたかし著、小学館クリエイティブ・1365円)
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 (1)書籍流通史、あるいは読者研究において、いまだに欠落している貸本の分野は、この書誌によって大いに調査が進むことだろう。手がかりになる画期的な労作である。是非(ぜひ)、図書館に備えて欲しい。(2)30年以上を辞書の編集に従事した人の、辞書のあれこれである。辞書を使う時、カバーや函(はこ)は捨ててしまうものだが、司馬遼太郎さんの書斎の辞書類はどれも函つきだった。司馬さんはいちいちケースから出し、使い終わると元に納めていたのだ。辞書に敬意を払っていたのである。辞書にはなぜ函がついているのか。本書の著者も教えてくれない。(3)アンパンマンの作者のラストメッセージ。5年間の軍隊体験を語った。召集令状を受け本籍地の連隊本部に行く。汽車賃は自弁だったと書いている。
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 出久根達郎(義足のランナーの『オスカー・ピストリウス自伝』(白水社)に感動、書評を書きあげたところに殺人容疑で逮捕の報。衝撃と戦慄(せんりつ)。)

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