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国家緊急権 [著]橋爪大三郎

[評者]

[掲載]2014年06月29日

[ジャンル]政治

表紙画像

 広範囲の放射性物質拡散や、伝染病大流行など憲法の想定を超える緊急事態が起きたとき、移動や経済的自由の制限など、政府が憲法違反の行動をし、「国家緊急権」を発動するのは許されるのか。著者は人民の生命を守るためなら許されると考える。
 権力者への最大のブレーキは世論。だから緊急時にも言論活動には自由を与えるべきだという。緊急権を行使した政府の長は事後に政治的責任を取って、身をひく。
 「緊急権」を否定する立場の読者にも、緊急時に政府が「暴走」した場合の心構えとして読める。サンフランシスコ講和条約は日本国にとって、憲法以上の拘束力を持つ根本法規である、などの指摘も興味深い。
    ◇
 (NHKブックス・1296円)

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