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角幡唯介 書評委員が選ぶ「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2014年12月28日

表紙画像

(1)井田真木子著作撰集(里山社・3240円)
(2)テクニウム(ケヴィン・ケリー著、服部桂訳、みすず書房・4860円)
(3)「立入禁止」をゆく(ブラッドリー・L・ギャレット著、東郷えりか訳、青土社・4536円)
    ◇
 井田真木子さんの本は恥ずかしながら読んだことがなかったのだが、(1)を読んで、それが本当に恥ずかしいことだったのだと知った。少なくともノンフィクションを書いている身としては……。すいません。脱帽しました。(2)も脱帽。その思考の奥深さに。テクノロジーを進展させる無形の力を説明するのに、宇宙の生成だとか生物の進化だとかから論じるのだからたまったものではない。ユリ・ゲラーはわかっていたんだなあ。(3)もまた脱帽。その行動の不可解さに。都市の廃虚や下水道に潜入する都市探検を大真面目に論じる奇書である。もちろん建造物侵入容疑で逮捕。でもやめられないらしい。何でそんなことするの?ってよく訊(き)かれるんだろうな、この人。その気持ち、よく分かりますよ〜。
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 角幡唯介(冬は北緯78度近辺で犬と命懸けの愛憎劇を繰り広げていた。帰国後は生まれたばかりの赤ん坊と、こちらも命懸け。来年はまるまる1年間北極探検です。)

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