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隈研吾 書評委員が選ぶ「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2014年12月28日

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 (1)「らしい」建築批判(飯島洋一著、青土社・2592円)
 (2)新国立競技場、何が問題か(槙文彦・大野秀敏編著、平凡社・1512円)
 (3)磯崎新インタヴューズ(磯崎新・日埜直彦著、LIXIL出版・3780円)
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 戦後政治の総決算の安倍政権に呼応するかのように、戦後建築史を総括する本が相次いだ。巨星丹下健三の二人の弟子、槙、磯崎の自己総括的とも読める力作は、迫力たっぷりで、建築家(クリエーター)が社会と対峙(たいじ)する際の、2つのオプションを浮き彫りにした。建築を都市から独立した「過激なアート」と再定義した磯崎の切断法と、都市になんとかつなぎとめようとねばる槙。飯島は磯崎のアート路線を「らしい建築」と括(くく)って、見事な補助線を引き、3・11以降の建築界の対応を痛烈に批判した。ザハ・ハディド設計の新国立競技場案に対する槙・磯崎の対照的リアクションの裏にある哲学的差異が見えてくる。戦後という時代を生きたすべての人間が、2つの選択肢の前で悩むのである。
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隈研吾 歌舞伎座という大きな仕事を終えて、死ぬ意味を考えていたら、養老孟司さんと「死」の対談をすることになって、自分の「遺影」が表紙になった。







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