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日本発掘!—ここまでわかった日本の歴史 [編]文化庁

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)

[掲載]2015年04月26日

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■考古学の最前線を最新情報で

 考古学は人文科学の中で一風変わった学問である。本の山に埋もれるより、身体を用いての作業が重視される。現場をしっかり掌握し、土中の遺物と対話を重ねて学びを深化させる。テストで良い点を取るだけの受験エリートではつとまらない。だから大学の研究室が絶対ではない。むしろ地方公共団体が主導して地域と連携し、広範囲での発掘を実現する。その成果をもとに議論が生まれ、そこに研究室も加わって、分析が進む。
 その考古学は、いま、何をして、何を考えているのか。その結果、日本列島の歴史はどのように見えてくるのか。それを端的にまとめたものが本書である。ベースとなるのは、「発掘された日本列島」展20周年を記念する連続講演会「日本発掘!」(2014〜15年、江戸東京博物館で開催)。旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、古代、中世。各時代を代表する研究者が、最新の情報に基づいて、考古学の最前線を熱く、わかりやすく語りかける。
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 朝日新聞出版・1728円

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