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本郷和人 書評委員が薦める「2015年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2015年12月27日

表紙画像

(1)たすけて、おとうさん(大岡玲著、平凡社・1944円)
(2)歴史の仕事場(アトリエ)(フランソワ・フュレ著、浜田道夫、木下誠訳、藤原書店・4104円)
(3)芥川賞の謎を解く 全選評完全読破(鵜飼哲夫著、文春新書・896円)
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 書評には400字、800字、1100字の3種類がある。こと私の場合、好ましい本が1100字、さほどでない本は400字、というわけでは断じてない。文章力がないので「どう書けば効果的か」を先に考え、それに従って字数を選ぶ。だから今年の3点の(1)と(2)は400字。(1)は小説の怖さをつくづくと感じた一冊。本当は末尾の「だから、たすけておとうさん」に続けて、「エリ エリ レマ サバクタニ(我が神、我が神、どうして私をお見捨てになったのですか)」という聖書の言葉で締めたかったのだが、その勇気がなかった。(2)は私の本業の歴史学の本。史料集の編纂(へんさん)をここまで叩(たた)かれると、つらいなあ。(3)は800字。小説を読み続けていく上で指針となる本。
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 本郷和人 今年の12月、ついにズボン下をはき始め、愛用している。暖かさを得た反面、大きななにかを失った気がする

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