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宮沢章夫 書評委員が薦める「2015年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2015年12月27日

表紙画像

(1)民主主義ってなんだ?(高橋源一郎、SEALDs著、河出書房新社・1296円)
(2)大瀧詠一 Writing & Talking(大瀧詠一著、白夜書房・4860円)
(3)服従(M・ウエルベック著、大塚桃訳、河出書房新社・2592円)
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 (1)私が選ぶ今年の流行語大賞は「SEALDs」だと考えていた。彼らに煽(あお)られて何度か国会前に行った。挫折感などない。「六〇年安保」とは違う。「SEALDs」という言葉そのものが行為への示唆を与えてくれた。それを風化させないためにも、これをまず選んだ。
 (2)惜しくも2年前の暮れに亡くなられた大瀧詠一の思考の方法をまとめたナイアガラー(大瀧のコアなファン)の熱意に。そして大瀧師匠にどれだけ多くを学んだか。
 (3)これほど、残酷で笑えない冗談はない。だが見事な冗談だ。途方もない冗談だ。そして時代を見通す著者の眼(め)に感服する。しかもそれは、いま私を取り巻く、この国の状況さえ語っているかのようだ。
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 宮沢章夫 『東京大学「80年代地下文化論」講義決定版』(河出書房新社)を刊行。書評したい本、した本の多くが河出だったのは関係がない

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