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細野晴臣 書評委員が薦める「2015年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2015年12月27日

表紙画像

(1)ぼくが映画ファンだった頃(和田誠著、七つ森書館・2160円)
(2)ミシェル・ルグラン自伝(ミシェル・ルグランほか著、高橋明子訳、濱田高志監修、アルテスパブリッシング・3024円)
(3)ナディア・ブーランジェ(ジェローム・スピケ著、大西穣訳、彩流社・3024円)
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 映画や音楽のように本を読めたら、とつくづく思う。(1)は映画館で見終えた後、友と今見た映画のことを語り合うような気持ちになる本だ。優れた娯楽は豊かな記憶を醸成するのだという確信が持てる。記憶は人生の土壌だと教えられた。(2)も同じく音楽家の語りを聞いているような本。職業柄、音楽家の自伝は興味深くもあり、身につまされることも。古典に限らず軽音楽も、伝統と形式という大河に流され、浮き沈みは音楽に力を与えるだろう。その流れの中には数多(あまた)の才能が連なり、輝かしい作品を生み出している。(3)はそういった才能を嗅ぎ分け、育てた女性の話。偶然(2)にも登場していたので、本は本を引き寄せるものだと実感。これらの書評、自分で選んでいるようで、実は逆なのでは?
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細野晴臣 書評という仕事をこれまで想像したことがなかった。遅読(ちどく)なので締め切りが恐ろしい。しかし良い本に出会う喜びもある

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