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宮沢章夫 書評委員が選んだ「2016年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2016年12月25日

表紙画像

(1)日本戯曲大事典(大笹吉雄・岡室美奈子・神山彰・扇田昭彦編、白水社・2万5920円)
(2)「J演劇」の場所(内野儀著、東京大学出版会・7344円)
(3)老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉(砂連尾理著、晶文社・1836円)
    ◇
 (1)すごい仕事だ。これがすべてと言えないにしても、かなり網羅し、執筆者らの熱意も感じる。作家と作品の内容が紹介され、なにか調べものが必要になったときも、時代を考えるのを助けてくれる。
 (2)現在との誠実な向かい合い方であり、この国の演劇との真摯(しんし)な対話だと考える。そして、刺激される演劇へのアプローチだ。これまでの演劇を深い場所で捉え、方向性が説かれ、多くの示唆を与えられた。
 (3)ダンスがより好きになった。こんなに豊かな表現の世界だということ、それを言葉にし、示してくれたことに感謝したい。だからといって、理解するのは容易ではないものの、人のからだが表現する力を、「身体論」と仰々しく語らず、やわらかい言葉で解く。感銘を受けた。
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 舞台作品の発表と大学の授業で去年に比べ読書量がかなり減った。読みたい本は数多くある。演劇を専門にしているが、日本のポピュラーミュージックについて、その歴史を解くこと、専門外の文化を追うのが面白くてしょうがない

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