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10分後にうんこが出ます―排泄予知デバイス開発物語 [著]中西敦士

[評者]円城塔  (作家)

[掲載]2017年02月12日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝

表紙画像

 うんこは直接的に感情にゆさぶりかけてくる。うんこときくと誰もが顔をしかめたり、軽く笑い出したりするものだ。
 著者はそんなうんこが出るタイミングを教えてくれる、携帯可能な装置をつくろうと試みる。資金を集め、試作機をつくりといった過程が、現代のアメリカ西海岸的なものづくりのやり方で展開されていく。
 技術者ではない著者が目標を設定し、仲間を集め、友人たちに助けられながら仕事を進めていくさまは、古風なものづくりのイメージから離れており、新鮮に映る人も多いだろう。
 うんこの出るタイミングがわかったからどうだというのか、ただのジョーク商品ではないか、と思った人は、厳粛な事実の前に襟を正すことになるはずだ。
 現代の高齢化社会において、自ら排便の兆候を感知できない、感知できても意志を示すことのできない人々の割合は増加している。介護の人手不足が叫ばれる中、機械の手だって借りていきたい。

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