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ねえ君、不思議だと思いませんか? [著]池内了

[評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)

[掲載]2017年02月26日

[ジャンル]科学・生物

表紙画像

 科学と社会の接点で考えなければならないことが現代にはあふれている。「オマエは科学的ではない」みたいな言説も飛びかっている。だけど科学的ってどういうこと? 本書は〈平和路線を守ることこそ科学者の責務〉といいきる宇宙物理学者のエッセー集だ。
 健全な批判精神を宿した市民科学の必要性、町工場の可能性、全国の科学館や博物館(私設も含めてなんと6千!)を市民科学の拠点にする「小さな科学館・博物館ネットワーク」構想、リニア新幹線や東京五輪への疑義、iPS細胞を礼賛する危うさ……。話題は多岐にわたるけど、とりわけ宇宙空間の軍事利用や防衛省の主導で進みつつある「軍学共同」への警告と批判は鋭く、重い。
 表題は寺田寅彦がよく口にしていたという言葉に由来する。〈「ローマは一日にして成らず」されど「ベルリンの壁は一夜にして崩れた」〉。いつか必ず道は開けるという本書のメッセージに励まされる人は多いだろう。

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