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皇族と天皇 [著]浅見雅男

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)

[掲載]2017年03月05日

[ジャンル]歴史 経済 社会

表紙画像

 室町から江戸期に成立した四親王家(ししんのうけ)(伏見、桂、有栖川、閑院)に加え、王政復古と前後して、六宮家(中川、山階、東伏見、華頂、北白川、梨本)が誕生した。慶応4年の太政官布告では、四親王家以外の宮家は一代限りとされた。
 これらの「天皇の藩屏(はんぺい)」たちはいかに天皇の守護者たろうとしたかを、著者は明かしていく。外国王家との結婚可否から宮中某重大事件、昭和戦時の皇族たちの姿が描かれる。天皇周辺の思惑と皇族たちの考え方の相違に、近代日本の矛盾葛藤があることもわかってくる。明治の皇室典範審議の折、伊藤博文が明治天皇の意を受けたのか、永世皇族制度を否定し、皇族の臣籍降下を典範に盛りこもうとしていた自らの姿勢を一変させた経緯についての記述は現代と関わりがあり、意味するところは大きい。
 天皇は国の「君主」であると同時に、天皇家の「家長」であることの責務を自覚した、という著者の推測は納得できる。

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