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江戸→TOKYO―なりたちの教科書 [著]岡本哲志

[評者]末國善己 (文芸評論家)

[掲載]2017年04月23日

[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

表紙画像

 タモリが日本各地を訪ね、歴史の痕跡を探し、その街の成り立ちに迫るNHKの「ブラタモリ」が人気だ。本書は、この番組に何度も出演した著者が、徳川家康の都市計画から現代の日本橋再開発に至る東京の変遷をたどっている。
 寛永寺と増上寺は、江戸城を忌むべき方角の鬼門と裏鬼門から守るために作られたとされる。だが実際に江戸城天守閣の鬼門と裏鬼門の線上にあるのは、神田明神と日枝神社。著者はこの二社が、江戸城を守っていたのではないかとする。
 首都高速道路が江戸城の掘割の上に建てられ、新宿御苑を始めとする都心部の緑地帯は大名屋敷の跡地であるなど、江戸の町造りは現代とも密接に繋(つな)がっている。こうした興味深い話題が満載の本書は、まさに読む「ブラタモリ」である。
 歴史時代小説ファンは、舞台になった場所にどんな由来があるか分かるので物語がより深く理解できるし、本書を片手に東京を散策するのも楽しいだろう。

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