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文学効能事典―あなたの悩みに効く小説 [著]エラ・バーサド、スーザン・エルダキン

[評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)

[掲載]2017年09月24日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 本読書欄にも「悩んで読むか、読んで悩むか」というお悩み相談コーナーがあるけれど、それをもっと強烈にしたのが本書。なにしろ文学愛好家は〈大昔から小説を軟膏(なんこう)のように使って傷をいやしてきた〉のであるから、その効能は下手な薬の比ではないというわけだ。題して読書療法(ビブリオセラピー)。
 インフルエンザにかかったときは『アクロイド殺害事件』、死ぬのがこわいときは『百年の孤独』。周囲に溶け込めなければ『かもめのジョナサン』で群れない生き方を学び、花粉症なら『海底二万里』で水中に逃れよう。悲観したら楽観的な『ロビンソン・クルーソー』。飛行機がこわくなったら『夜間飛行』って、それ逆効果じゃないの? 飛行機事故の話だぞ。
 マジなのかネタなのか。知らなかった作品もきわめて多し。虫垂炎や下痢に効く小説まであるとは。取り上げられた症状は190。作品は202冊。ほんとに効くかどうかは……自己責任でお願いします。

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