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斎藤美奈子 書評委員が選ぶ「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2017年12月24日

表紙画像

(1)日本キリスト教史―年表で読む(鈴木範久著、教文館・4968円)
(2)守教 上・下(帚木蓬生著、新潮社・各1728円)
(3)星ちりばめたる旗(小手鞠るい著、ポプラ社・1836円)
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 諸般の事情で書評できなかった本から3冊。
 潜伏キリシタンが発見された1867年から150年に当たる今年は関連出版が相次いだ。(1)はキリスト教の伝来から現代までの500年余を概観した通史。キリスト教が日本の文化や教育、社会運動に与えた影響の大きさを痛感。
 (2)は久留米藩のある村を舞台に、キリシタンの民衆たちを描いた歴史小説。宣教師との出会いから禁教、弾圧、潜伏期を経た江戸末期まで300年。天正の少年使節の後日談も含め、通史に血肉を与えてくれる。
 (3)も歴史小説。主役は20世紀初頭に渡米した日系移民一家である。わが子を米国市民に育てようとした母。日米開戦後、収容所に送られた父。激動の100年を母娘3代の視点で描ききる。
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 1月に『文庫解説ワンダーランド』(岩波新書)を上梓しました。

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