書評・最新書評

細野晴臣 書評委員が選ぶ「今年の3点」

[評者]今年の3点(書評委員)

[掲載]2017年12月24日

表紙画像

(1)ザップル・レコード興亡記 伝説のビートルズ・レーベルの真実(バリー・マイルズ著、野間けい子訳、河出書房新社・3132円)
(2)NHK ニッポン戦後サブカルチャー史 深掘り進化論(宮沢章夫ほか著、NHK出版・1944円)
(3)エッジイな男 ムッシュかまやつ(サエキけんぞう・中村俊夫著、リットーミュージック・1944円)
    ◇
 今年も僕の書評は音楽にかかわる本になったが、どれも時の流れに埋もれがちなポップ・ミュージックを再確認し、記憶にとどめようとする手助けになる記録だったともいえる。
 (1)はロック・ミュージックの可能性を実現してみせたビートルズの知られざる側面、実験音楽の大衆化についての詳細な記録。ただ、既にビートルズでさえ知らない世代が音楽をやっている時代になり、今後このような記録が求められるかどうかは定かでない。
 同じく(2)で検証されたポップスにおけるリズムの変遷というテーマも、今まであまり語られることがなかった希少な記録だが、これも今後語られるとは限らない。(3)は日本の音楽家、ミュージシャンとは何かということをあらためて考えさせられた。
    ◇
 今年はソロ・アルバム制作という大仕事の後に演奏旅行が続き、湯船で読書することが精一杯だった。来年こそ……

関連記事

ページトップへ戻る