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ギガタウン―漫符図譜 [著]こうの史代

[評者]野矢茂樹(立正大教授)

[掲載]2018年02月18日

[ジャンル]アート・ファッション・芸能

表紙画像

 漫符——漫画で様々なことを表現する記号である。額に縦線が何本も引かれていれば青ざめているのであり、頭上に「ガーン」と描かれていれば何かが落っこちたのではなく、ショックを受けたのである。本書はそんな漫符を百以上取り上げて解説する。
 なれている人にはどうってこともないが、漫符が分からないために漫画が読めない人もいるという。そういう人はこの本を手元において漫画を読むといいのかもしれない。だけど、本書はむしろ読みなれている人の方が面白いだろう。だって、こめかみに雫(しずく)を描けば感情表現になるなんて、考えてみれば不思議なことじゃないですか。
 鳥獣戯画の動物たちをキャラクターに、漫符を実際に使った四コマ漫画が並べられる。まあ、率直に言ってすごく面白いわけではない。でもそれが逆に、なんというか、こうの史代らしくいい感じで、読んでいると顔の筋肉が微妙にゆるんでくる(ハート)

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